亜鉛は傷の治りを早くしますか?
亜鉛欠乏症の人や、栄養不足のある高齢者・褥瘡(床ずれ)患者には有用な可能性が示されていますが、健常者が「美容目的で傷を早く治す」エビデンスは弱いのが現状です。
詳しい解説
Cochraneレビューでの評価
- Langer ら 2024年 Cochraneレビュー: 33 RCT・7,920人を対象とした研究で、栄養介入(亜鉛を含む)の褥瘡予防・治療効果を検討。亜鉛単独の決定的な効果は示されていないと報告
- Moore ら 2020年 Cochraneレビュー: 糖尿病性足潰瘍に対する栄養介入の論文を解析。亜鉛硫酸塩 220 mg/日の効果は限定的というデータが示されている
亜鉛は皮膚再生に必要だが…
細胞・分子レベルでは、亜鉛は:
- 細胞分裂・タンパク合成に必要
- コラーゲン形成に関与
- 抗炎症作用
を持ちます。亜鉛欠乏では実際に創傷治癒が遅れることが知られています。
一方で、「もともと足りている人がさらに摂る」ことで治りが早まるかは別問題で、明確な効果は確認されていません。
実践的なまとめ
- 食事から亜鉛を含む食品(牡蠣、赤身肉、レバー、ナッツ類、豆類)を摂る
- 明らかな欠乏症(皮膚炎、味覚障害、食欲低下)がある場合は医療機関で評価
- 健常者の「美肌・傷予防」目的としては費用対効果が低い
