日焼けの「サンバーン」と「サンタン」の違いって何ですか?
サンバーンは紫外線によって皮膚が赤くヒリヒリする「急性のやけど」状態、サンタンは肌を守るためにメラニンが生成されて皮膚が黒くなる「防御反応」です。
詳しい解説
皮膚で起きていることの違い
日焼けには、大きく分けて2つの段階があります。
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サンバーン(Sunburn)
- 症状: 紫外線(主にUV-B)を浴びてから数時間後に現れる、皮膚の赤み、ヒリヒリとした痛み、熱感、ひどい場合は水ぶくれ。
- メカニズム: 紫外線によって皮膚の細胞が傷つき、炎症反応が起きている状態です。これは、肌が軽度のやけどを負っているのと同じです。通常、数日で症状は落ち着きます。
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サンタン(Suntan)
- 症状: 赤みが引いた後、数日経ってから肌が褐色に変化していく状態。
- メカニズム: 紫外線(主にUV-A)の刺激から肌の奥深くにある細胞核を守るため、メラノサイトという細胞が「メラニン」という色素を生成します。このメラニンが肌を黒く見せ、天然の日傘のように紫外線を吸収・散乱させて、さらなるダメージを防いでいます。
つまり、サンバーンは「ダメージそのもの」、サンタンは「ダメージに対する防御反応」と理解すると分かりやすいでしょう。どちらも肌が紫外線によるストレスを受けたサインであることに変わりはありません。
参考文献
- 日本皮膚科学会Q&A. "Q1. 日焼け(日光皮膚炎)のメカニズムと治療法について教えてください。"
- Mancuso, J. B., et al. (2021). Photodamage, photoaging and photoprotection of the skin. In Fitzpatrick's Dermatology (9th ed.). McGraw-Hill.