なぜお湯で食器を洗うと手が荒れやすいのですか?
お湯は皮脂を溶かし出す力が強く、肌のバリア機能に必要な皮脂まで洗い流してしまうためです。バリア機能が低下すると、外部からの刺激に弱くなり、乾燥やひび割れなどの手荒れ症状が起こりやすくなります。
詳しい解説
お湯と皮脂の関係:手荒れのメカニズム
私たちの肌表面は、皮脂と汗が混ざり合ってできた「皮脂膜」という天然の保湿クリームで覆われています。この皮脂膜が、肌の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守る「バリア機能」の重要な役割を担っています。
1. お湯が皮脂を奪うプロセス
油汚れがお湯で落ちやすくなるのと同じ原理で、40℃前後のお湯は皮脂を効率よく溶かし出してしまいます。 食器洗いの際にお湯を使うと、汚れだけでなく、あなたの手を守っている大切な皮脂膜まで洗い流してしまうのです。
- 皮脂の役割:
- 水分の蒸発を防ぐフタの役割
- 外部刺激(洗剤、細菌など)の侵入を防ぐ
- 肌の柔軟性を保つ
2. バリア機能の低下と乾燥の悪循環
皮脂膜を失った肌は、無防備な状態です。
- 水分の蒸発: 肌内部の水分がどんどん蒸発し、乾燥が進みます(過乾燥)。
- 刺激の侵入: 洗剤の成分や細菌などが角層に侵入しやすくなり、炎症やかゆみを引き起こします。
- 乾燥の悪化: 乾燥が進むと、肌はさらに硬くなり、ひび割れやあかぎれといった、より深刻な症状につながります。
このように、「お湯で洗う → 皮脂が流出 → バリア機能低下 → 乾燥・刺激 → さらに手荒れが悪化」という負のスパイラルに陥ってしまうのです。
食器洗いの際にできる対策
手荒れを防ぐためには、皮脂を守ることが何よりも重要です。
- ゴム手袋を着用する: 最も効果的な方法です。お湯や洗剤に直接触れるのを防ぎます。肌が弱い方は、綿の手袋を中にはめると、蒸れによるかゆみを防げます。
- 水またはぬるま湯を使う: どうしても素手で洗う場合は、お湯の温度を少し下げ、35℃以下のぬるま湯にするだけでも、皮脂の流出をかなり抑えられます。
- 洗浄力のマイルドな洗剤を選ぶ: 「肌にやさしい」「低刺激」と表示のある、アミノ酸系や非イオン系の界面活性剤を使用した洗剤を選びましょう。
- 洗った後はすぐに保湿: 洗い物が終わったら、すぐに水分を優しく拭き取り、ハンドクリームを塗る習慣をつけましょう。特にセラミドやワセリン、シアバターなどが含まれた保湿力の高いクリームがおすすめです。
症状が改善しない場合や、かゆみ、炎症が強い場合は、皮膚科医に相談してください。
参考文献
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