紫外線を浴びると、なぜ肌荒れが起きるのですか?
紫外線は皮膚のバリア機能を直接的に破壊し、乾燥や炎症を引き起こすためです。また、体内で過剰な活性酸素を発生させ、細胞レベルでダメージを与えることも、肌荒れの大きな原因となります。
詳しい解説
紫外線が肌荒れを引き起こすメカニズム
紫外線(UV)が肌荒れの主要な原因であることは広く知られていますが、その背後には複数の複雑なメカニズムが存在します。
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バリア機能の破壊と乾燥
- UVB(紫外線B波)の影響: 主に肌の表面(表皮)に作用し、強い炎症(サンバーン)を引き起こします。この炎症反応により、表皮細胞がダメージを受け、角層の構造が乱れます。
- 結果: 角層の乱れは、肌の水分を保持し、外部刺激から守る「バリア機能」の著しい低下を招きます。結果として、水分が蒸発しやすくなり(乾燥)、アレルゲンや細菌などが侵入しやすくなるため、さらなる肌荒れにつながります。
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活性酸素の発生と酸化的ストレス
- UVA(紫外線A波)の影響: 肌の奥深く(真皮)まで到達し、長時間かけてじわじわとダメージを与えます。UVAを浴びると、体内で過剰な「活性酸素」が発生します。
- 結果: 活性酸素は、細胞膜やDNAを酸化させて傷つけ(これを酸化的ストレスと呼びます)、細胞の正常な機能を妨げます。これにより、コラーゲンやエラスチンが変性してシワやたるみの原因になるだけでなく、皮膚の免疫機能も低下させ、肌荒れを悪化させます。
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ターンオーバーの乱れ
- 紫外線によるダメージは、肌の生まれ変わりサイクルである「ターンオーバー」を乱します。
- 結果: 通常は約28日周期で剥がれ落ちるはずの古い角質が、肌表面に長く留まってしまい、ゴワつきや毛穴詰まりの原因となります。逆に、炎症が強い場合はターンオーバーが異常に早まり、未熟な細胞が表面に出てきてしまい、バリア機能がさらに低下するという悪循環に陥ります。
紫外線による肌荒れへの対策
- 徹底した紫外線対策: 天候に関わらず、毎日日焼け止めを使用しましょう。SPF値だけでなく、UVAを防ぐPA値も確認することが重要です。2〜3時間おきの塗り直しも忘れずに行いましょう。
- 保湿ケア: バリア機能をサポートするため、セラミドやヒアルロン酸などの高保湿成分が含まれた化粧品で、朝晩しっかりと保湿することが不可欠です。
- 抗酸化ケア: ビタミンC誘導体、ビタミンE(トコフェロール)、フラーレンなどの抗酸化成分が配合された美容液を取り入れ、活性酸素のダメージを軽減しましょう。
- クールダウン: 日差しを強く浴びた日は、まず冷たいタオルなどで肌を冷やし、炎症を鎮めることが最優先です。
症状が改善しない場合や、強いかゆみ・痛みを伴う場合は、皮膚科専門医に相談してください。
